April 13, 2011

銀の変色

銀のジュエリーを使わずに置いておくと、黄色く変色し、更にそのまま放って置くと真っ黒になります。
日本の暑い夏の時期などには、身に着けていても黒く変色したりもします。
温泉などにうっかりシルバージュエリーを着けたまま 入ってしまって、真っ黒になってしまったという経験がある方も多いのでは。

シルバーが黒くなるのは、硫黄(S)もしくは塩素(Cl)が原因です
身近に触れる硫黄成分、硫化水素(硫化ガス)や塩素によって表面に塩化銀や硫化銀の膜ができ、変色が起こるのです。

特に硫黄を含んだ化合物は温泉以外にも身の回りに沢山あって、意外にも日常的に触れる機会が多かったりします。
例えば、皮膚や髪、爪を構成しているタンパク質の成分であるシスチン(C6H12N2O4S2)というアミノ酸にも硫黄が含まれています。 
パーマ液やカラーリング剤、排気ガス、シャンプーや洗剤に使われる界面活性剤には硫黄化合物が含まれている事が多いです。
  卵白を始め、海苔や高野豆腐、きな粉、レバー等々にもシスチン(硫黄を含むアミノ酸)が含まれていますし、タマネギやニンニクにも硫黄化合物である硫化アリルが含まれています。
ゴムに硫黄を加えると弾力が高まる為、ゴム製品にも硫黄化合物が含まれている事が多いです。

塩素については、家庭で使う漂白剤をはじめ、ドライクリーニングに使われる塩素系溶剤、プールの水などがあげられます。

ジュエリーの修行先である師匠のお店でも、ショーウィンドーに陳列してあるジュエリーは1ヶ月くらいするとかなり黄色くなってしまいます。
ディスプレイに使われるネックレススタンド等は接着剤を使用して作られており、その接着剤に含まれる硫黄成分が銀の変色を加速しているようです。
特に春や夏などの気温が高い時期だと、接着剤の蒸発が促進され、変色の速度は冬にくらべて断然早いです。

下の写真左はウィンドー内で黄色く変色したリング。右はそれを磨き直したもの。






以上の事を踏まえて、温泉につかるときはもちろん、美容院に行く時や洗い物をする時(特に洗い物をすると食器や金属製品に多く触れるのでジュエリーに傷をつけやすい)などもシルバージュエリーをはずす習慣をつけると良いのですが、あまり着け外しばかりしていると、いつか無くしてしまいそうですね。

特に、化粧水やクリーム等日常に肌につける化粧品まで気にしてしまうと、シルバージュエリーをつけられなくなってしまいそうです。

銀の変色を防ぐ一番の方法は、とにかく頻繁に身につけること! 

そうすることで、銀表面は常にいろいろな物に触れ、磨かれて、薄い硫化銀の膜も自然に取り除かれます。

一度変色してしまったジュエリーは、下の写真にあるような専用の布にジュエリーの磨きにも使う研磨剤を擦り込んだもので拭い取るようにして磨きます。↓

さほど変色していなくても、日常的にシルバー製品のお手入れに使う布はこれがおススメ。↓英国製のSELVYT。


ご家庭にある重層を使っても軽い変色なら取り除くことができます。
少量の重層を手のひらに取り、ペースト状になる様に少量の水を加えたもので変色したジュエリーの表面をこするようにします。
シルバーのチェーンなどもこの方法で結構綺麗になります。

私はジュエリーを作っているだけあってジュエリーが大好きで、いつも身に着けていたいですが、ジュエリーを作る時はヤスリや金槌等、ジュエリーに深い傷をつけてしまうような道具を沢山使うので、仕事をする日中は残念ながら何もつけていない事が多いです。
それでも、お気に入りのジュエリーは友達と会ったり外出したりするチャンスがあれば必ず着けますし、黄色くなったり黒くなったりもせず、美しい銀色を保っています。
金属の傷はまた磨き直して取り除くことができるのですが、石を磨き直すのはそう簡単ではありません。個人的には、変色よりも、どちらかというと石や金属に傷を付けない様に気をつけていて、石が留めてあるリングやブレスレットを着けている時には手元の動きがとても 優しくなるような気がします。

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